不死鳥
《不死鳥》は、江別市開基90周年、市制施行15年を記念して1968年に設置されました。当初、市の振興発展に尽力した功労者顕彰像を記念碑にする提案がありました。しかし、議論の末、個人像や開拓農民の像ではなく、屯田兵以来の困難を克服し、これを次代に引継ぎ、今後の発展を意味するような象徴的表現にすることとして、本郷に制作を依頼することになります。
遠くからでも見えるよう、4メートルの御影石で作られた円柱塔の上に、高さ2メートル、横2.8メートルの不滅の開拓精神と永遠の生命を象徴した伝説の霊鳥「不死鳥」が据え付けられています。本郷は、「死の瞬間から、新しい生命へと蘇る姿を表現することで時間と空間を同時に把握」できる永遠の生命と不滅の精神の象徴として「不死鳥」を考えました。野外彫刻としてどの方向から見てもわかりやすいよう、造形的には、形をできるだけ単純化し「強烈でダイナミックな生命感の表出」に努めたと語っています。
制作過程で、色々なパターンを考えエスキースを数点つくり、もっともふさわしいものを選びました。「不死鳥」のテーマは、その後版画やレリーフの題材となり、当館にはエスキースの彫刻2点とともに収蔵されています。