雪華の像

《雪華の像》は、札幌冬季オリンピックモニュメントとして1971年に真駒内屋外スピードスケート場前に設置されました。この作品は、北海道出身で東京在住の実業家を中心につくられた北海道倶楽部から、札幌冬季オリンピック開催を記念して北海道に寄贈された作品でした。

依頼を受けた本郷は、作品とともに台座の形に注目しました。冬季オリンピックにふさわしく、台座を雪で銀色に輝く山をイメージして緩やかなスロープをつけ、見上げるような12メートルの高さにしました。台座の上には、2人の女神が天空から舞い降り、オリンピックを祝福するように躍動的なポーズをしています。スポーツの栄光を象徴させた二人の女神は、向かい合い、右手を高く天に振り上げ、左手に金色に輝く月桂樹の小枝を捧げもっています。金色の月桂樹を強調するために、作品の色は浅緑色にしました。

高い位置にある《雪華の像》は、常に強い風を受けます。そこで、二人で持つ月桂樹の小枝を風で動くようにしました。

本郷は、風という自然の要素とスポーツの祭典オリンピックというテーマの両方を巧みに造形に取り入れ、作品を制作しました。