緑の賛歌

ふたりの裸婦が、両手を空に向かって伸びやかに振り上げ、台座から今にも降りてくるかのような動きのある立像です。両者の手の表情には、本郷独自の優雅さがあります。手の動きと片足を一歩台座から踏み出そうとする表現は、空間をより大きく見せる運動の連続性と今にも踊りだしそうな躍動感がみなぎっています。「緑」を高らかに謳いあげるテーマが生かされています。

《緑の賛歌》を制作する過程は、ドキュメント映画『創る』(カラー 30分、柳川武夫監督、1973年)で見ることができます。映画では、稚内の《氷雪の門》、広島の《嵐の中の母子像》、京都の《わだつみ像》等の野外彫刻や、《緑の賛歌》の設置場所の下見、デッサンによる形の追求、それに基づく粘土像の制作、石膏取りと彫刻の制作過程などを経て、除幕式までが記録されています。制作に向かう本郷の厳しい表情や、休日に釣りを楽しむ様子など本郷の人となりがあらゆる角度から紹介されています。