館長の土曜講話―札幌の美術編―
- 日時
- 2024年10月26日(土)~2025年1月25日(土)
- 日時
- 2024年10月26日(土)〜2025年1月25日(土)の隔週土曜日 全7回
10:30~12:00(開場10:00)
※第1回(10月26日)のみ、14:00からも同じ内容で実施します。
※第7回のみ10:30〜11:15 - 会場
- 本郷新記念札幌彫刻美術館 本館研修室
- 料金
- 無料
- 定員
- 45人(先着順)
イベント概要
昨年度に引き続き、札幌を舞台に展開された美術関係の出来事や、現在進行中の動きについて、当館館長が隔週でお話をしていきます。
いずれも館長自身が札幌芸術の森美術館と本郷新記念札幌彫刻美術館での展覧会企画などを通して調査研究したことや、体験してきたことがもとになっています。数々のエピソードを交えながら、多くの写真や動画などを使ってわかりやすく解説します。
美術にあまり詳しくない方も、学芸員という仕事に興味のある方も、地域の美術のあり方や課題に関心のある方も、きっといろいろな発見があることでしょう。ご興味のある回に、ぜひお気軽にご参加ください。
第1回 10月26日(土)
【昭和10〜20年代:中島公園の謎のパトロン中根光一邸】
かつて中島公園のほとりにあった屋敷には、東京から頻繁に有名画家が出入りし、戦後すぐのころ絵画学校も開かれていた・・・。
『北海道美術史』には記載がないその中根邸での出来事を、画家たちの間で語り継がれていた話や、数少ない資料を拾い集めながら明らかにした2000年の展覧会の顛末などをお話しします。
第2回 11月9日(土)
【昭和30年代:辛口美術評論家なかがわ・つかさ旋風】
突然札幌に現れ、辛辣な美術評論とともに、美術館建設運動や美術専門誌の発行などを行い、時代を牽引したなかがわ・つかさ(本名:中川良)。わずか10年で急死するまでの活動を振り返りながら、彼が北海道の美術に何を求めていたのかを考えます。そこからは、現在にも通じるさまざまな課題が見えてきます。
2010年に開催した「さっぽろ・昭和30年代」展の図録は、美連協の優秀論文賞を受賞しました。
第3回 11月23日(土)
【モエレ沼公園と2度のイサム・ノグチ展】
イサム・ノグチ(1904-1988)が〝大地を彫刻する〟という55年来の夢を最晩年に実現したモエレ沼公園。その完成までの物語と、一部オープン(1998年)とグランドオープン(2005年)に合わせて札幌芸術の森美術館で2度開催した展覧会の逸話を紹介します。それぞれ約8万人の入場者を集めた展覧会を実施するまでには、さまざまな人々の苦労と工夫がありました。
第4回 12月7日(土)
【なぜ美術館でマンガやアニメの展覧会がひらかれるのか】
最近、マンガやアニメの展覧会が美術館でも頻繁に開かれるようになりました。そこにはどのような意味があり、課題があるのでしょうか。
本や映像が完成形であるそれらを、いかに展覧会という形で紹介するかという挑戦の推移など、札幌芸術の森美術館学芸員時代に関わった事例を中心に、紐解いていきます。
第5回 12月21日(土)
【札幌国際芸術祭の役割】
2014年から3年毎に開催されている「札幌国際芸術祭(SIAF)」。
札幌にとって芸術祭とは、どのような機能があり、役割を担っているのでしょうか。他の芸術祭の事例も挙げつつ、札幌での開催実現までの道のりやこれまでの取り組み、札幌市民の反応などを振り返り、考えていきます。
第6回 1月11日(土)
【札幌の画家列伝】
札幌芸術の森美術館では、1990年の開館以来、札幌の美術家を紹介する展覧会を続けています。そのなかから回顧展を開催した幾人かの画家の足跡を、企画、準備に際しての交流や調査をもとにたどりながら、当時の札幌の美術の動向についても見ていきます。
〈紹介予定画家〉
菊地又男(1916-2001)、栃内忠男(1923-2009)、八木保次(1922-2012)、八木伸子(1925-2012)ほか
第7回 1月28日(土)
【北海道の冬のアートイベントあれこれ】
北海道内各地で、雪や冬の寒さなどを利用したさまざまなアートイベントが開かれています。それらは、この地ならではのアート表現を楽しむ絶好の機会です。
雪まつりをはじめとした多様なイベントを分類、整理しながら、その可能性をさぐります。
前庭で開催中の「さっぽろ雪像彫刻展」とともにお楽しみください。